【お勧め本】「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか突然ですが、実は僕はプロレス/格闘技ファンです。特にプロレスは子供のから見ているので、結構なファン歴だと思います(笑)。プロレスファンはサブカル好きで本を読むのも好きな人が多い傾向にあるかと思います。本を読む楽しさの中で「行間を読む=筆者の真意を読み取る」という事があるかと思うのですが、プロレスファンは日頃から「裏を読んで楽しむ」という事が習慣化されており、共通点があるように感じます(笑)。特にオールドプロレスファンはターザン山本編集の週刊プロレスによる活字プロレスの教育が徹底的に施されており、活字に対する読解力が高いと思います(長くなるので、これ以上書きません笑)。

そんなプロレスファンの傾向もあってかプロレス関連の出版物は多いです。本日紹介する「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」の筆者・増田俊也さんは完全に柔道側の作家さんなので、今作はプロレス本にはカテゴライズされないと思いますが、プロレスが大きく関わってくる内容です!多くのプロレスファンもこの作品を読んだかと思います。

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」は長編ノンフィクションで、「史上最強の柔道家」と呼ばれる柔道家「木村政彦」の生涯が書かれています。「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」「鬼の木村」… 木村政彦さんは本当に強かったみたいですね!本の中でも関係者が当時どれだけ木村さんが強かったかこれでもかと証言しています。

そんな木村さんですが、戦争によって柔道を離れなければならない状況になり、またその後色々な状況が重なり、プロレスラ―に転向します(詳しくは本書を読んでください笑)。そしてその後、紆余曲折あり、この本の表題にもなっているプロレスラー「力道山」と闘うことになります。この試合は「昭和の巌流島決戦」と呼ばれ、視聴率100%だったとも言われています。

この昭和の巌流島決戦は、闘う前に木村&力道山両者の間で引き分けという約束があったと言われています。しかし、力道山はその約束を反故にして、木村さんを打撃でKOしてしまいます。因みにこのような行動をプロレス業界では「ブック破り」や「シュートを仕掛ける」などという呼び方をします。近年では1999年1月4日の新日本プロレスで行われた「小川直哉vs橋本真也」の試合が小川のブック破りとして有名ですね!

と、本作のあらすじをサラサラと上記に書きましたが、元々のプロレスファンにはこの本の出版前にも広く知れ割っていたことですし、そこの真実には驚きは正直そんなになかったと思います。とても深く取材しているので、非常に面白かったですし、当時の状況がより理解出来た事は間違いないですが。

それよりもこの本を読んで1番驚いたのが、当時の木村さんの常軌を逸した練習内容や練習量です!!これはマジでたじろぎました(笑)。そして中々のトンパチぶりです(笑)。生物としての強さを感じます。現役で格闘技をやっている人は必見です!

あとこの本を読んで感じたのが、著者・増田俊也さんの半端でない熱量の高さですね!上記でも触れたのですが、増田さんは元々大学で高専柔道をされていた柔道側の人間です。木村政彦愛に満ち溢れており、「木村さんの名誉を回復しよう」という気持ちが文章からこれでもかと伝わってきます。ここまで著者の気持ちが伝わってくるノンフィクション本は見たことがありません。これは本物です。また取材を重ね、当時の状況をより詳しく知ることによっておこる増田さんの気持ちの揺れ動きが文章から見えるのも、とても面白かったです。

この本はベストセラーになったようですが、その要因は増田俊也さんの熱量の高さが伝わったからだと思います!! 最近、続編もスタートされたようなので、とても楽しみです。